センター紹介
山梨大学総合情報処理センター
安藤 英俊
山梨大学総合情報処理センター
〒
400-8510 甲府市武田4-4-37TEL
:0552-20-8084FAX
:0552-20-8792ando@ccn.yamanashi.ac.jp
1.はじめに
山梨大学総合情報処理センターは、
1982年度に学内共同利用施設「情報処理センター」として設置されて以来、学内の情報処理の中枢組織として学術研究・情報処理教育の向上に寄与してきた。そして1997年4月1日をもって文部省令施設「総合情報処理センター」に昇格した。現在はセンター長(兼任)をはじめとし、専任教官1名、技官2名、事務官1名、事務補佐員1名という職員メンバー、およびセンター員として学内の教官からなるグループが協力して運営している。山梨大学はここ数年、組織面では大学院工学研究科博士課程・教育学研究科修士課程の設置、地域共同開発研究センター・機器分析センターの設置、大学改革に伴う学部改革・新学科設置など相次いで改革・整備・拡充が行われ、研究面では学際的・先端的研究を充実させてきた。また教育面では情報リテラシー教育はいうに及ばず、
VOD(Video On Demand)やインターネットなどマルチメディアを駆使した大学教育の充実に向けた取り組みが開始されている。これら一連の変化によって、いまや総合情報処理センターの情報システムは、必須のキャンパスインフラストラクチャとして位置づけられている。センターシステムには発足時から全教職員が何らかの形でユーザーとして参加していたが、
1995年頭初からは教職員はもちろん、4,500人の全学生にアカウントを供与し、学内はもとよりPPPダイアルアップ接続によって学外からもYINS(Yamanashi-university Information Network System 山梨大学情報ネットワークシステム)へのアクセスを可能にしてきた。これによってYINSのトラフィック量は飛躍的に増加し、その利用形態も高度化・多様化した。こういう変化を一層促進するために、当センターではネットワーク環境の整備を中心とした情報環境の高度化を推進し、1996年にはFDDI 100Mbps 4ループに加えて620Mbpsの基幹網、155Mbpsの支線網を有するATMネットワークをキャンパス全域に配備した。さらに1998年にはPIAFSによるPHS無線LANを構築して有線網ではカバーできない屋外等キャンパス内の全域ネットワーク化にも着手した。この結果ダイアルアップ接続も含めると、現在2,000台を越える端末がYINSに接続されている。
図1
YINS(山梨大学情報ネットワークシステム)構成図
一方1997年には情報コンテンツのマルチメディア化を推進するためにVODシステムの構築、附属図書館と提携して電子図書の配信サービスを開始するなど、マルチメディア化・高速化・国際化・多様化への取り組みを一段と強化してきた。また地域社会とのネットワーク接続を充実するために、地域内学術情報ネットワークの強化にも注力してきたが、加えて1997年からは民間網との接続にも着手し、山梨地域インターネットワーク接続機構(YNIX)を設立して、本センターはそのノード機能を果たしている。これによって我が国で初めて「官学民」一体の地域インターネット接続システムができあがり、ネットワークの効率化・安全性・経済性・利便性に寄与している。
高度情報社会の発展を支える先端科学技術の開発、次代を担う高度な研究者・技術者・教員の養成、ネットワークとマルチメディア技術を駆使した学術情報の世界へ向けての発信、電子図書館の構築、事務量の増大に対処するための学内事務のイントラネット化等々、総合情報処理センターに課せられた時代的役割ははかり知れない。これらの要請に応えるために、情報処理基盤の更なる整備・充実が喫緊の課題となってきた。そこで総合情報処理センターへの昇格を機に、センターシステムのすべてを更新することとし、
1998年2月3日をもって新システムに移行した。
2.新情報システムの全体像
1998年2月山梨大学総合情報処理センターに導入された主たる新システムは、次のとおりである。
・研究用アプリケーション・ファイルサーバシステム
(YINS-Labo)・ベクトル計算サーバシステム
(YINS-Comp)・ディジタルメディアコラボレーションラボシステム
(YINS-DMCL)・マルチメディアオンディマンド情報システム
(YINS-MOD)・情報処理教育用システム
(YINS-Edu)・インターネット系サーバシステム
(YINS-Internet)・事務処理支援用サーバシステム
(YINS-Intranet)・ネットワークプリンタシステム
(YINS-Printer)・ネットワーク管理支援システム
(YINS-Monitor)・その他のシステム
以下、これら各システムについての性能及びアプリケーションについて概括的に説明する。
2.1 研究用アプリケーション・ファイルサーバシステム(YINS-Labo)
Silicon Graphics
社製 Origin 2000 (ホスト名 shingen)演算処理速度:
2077 SPECfp rate95、1315 SPECint rate95CPU
:R10000 195MHz × 16主記憶容量:
4GBディスク容量:
600GB(RAID5)OS
:Irix 6.4総通信帯域:
310Mbps
利用可能アプリケーション一覧:
・
MATLAB:数値計算、データ解析、シミュレーション、視覚化など・
ANSYS:有限要素解析・
DADS:機構解析評価・
SYSNOISE:音響振動解析ソフト・
code V:光学設計評価・証明シミュレーションソフト・
CaChe:分子モデリングソフト・
AVS:汎用視覚化ソフト・
Gaussian94・Mopac:分子軌道計算ソフト・
Mathematica:一般数理解析ソフト・その他多数のフリーウェア
図2
YINS-Labo Shingen
2.2 ベクトル計算サーバシステム(YINS-Comp)
NEC
製SX-4B/2A (ホスト名 kizan)演算処理速度:
3.6GFLOPSCPU
数:2主記憶容量:
2GBディスク容量:
33.6GB(RAID5)OS
:Super-UX
超高速ベクトル計算機であり、ベクトル演算主体のユーザプログラムの高速実行を任務とする。なお、本機は、
NECスーパーコンピュータSXシリーズの記念すべき100号機であり、特別にゴールドプレートが付けられている。
図3
SX-4 シリーズ100号機
2.3 デジタルメディアコラボレーションラボシステム(YINS-DMCL)
デジタルメディアコラボレーションシステム(以下YINS-DMCLと略称する)は、YINS-Labo、YINS-Compにより得られる科学技術計算結果を高速かつ高品質に視覚化することを目的とする。また各種の周辺機器により、視覚化した結果をYINS-MODのリソースとして提供すること、およびマルチメディアプレゼンテーションの作成を支援することが可能である。
図4
YINS-DMCL Octane
2.3.1 ハードウェア(SGI、OCTANE/MXI)
演算処理速度:
17.0 SPECfp95、9.3 SPECint95CPU
:R10000 195MHz主記憶容量:
512MBディスク容量:
8GBグラフィックスサブシステム:
MXI(4MBテクスチャーメモリ)20
インチカラーモニタ1280x1024ピクセルネットワーク:
100Mbps + ATM 155Mbps
2.3.2 ソフトウェア
・可視化支援ソフト
Viz/Express(AVS Ver.6)SPIDER、AVS-Spider Viewer・
Alias Power Animatar Ver.7.5(モデリング・レンダリングソフトウェア)・
JALEO IMPACT(ノンリニアビデオ編集ソフトウェア)・
Silicon Graphics社製 Cosmo Code(JAVAアプレコット開発用ソフトウェア)・
WorldToolKit1(Open GLを用いた三次元CG制作ソフトウェア)・
Cerius2(統合型計算化学ソフトウェア)
2.3.3 周辺機器
・ディスクレコーダー(
Accom WSD/Xtream) 1式・
DVCAMビデオデッキ(SONY DSR-85) 1式・
S-VHSビデオデッキ(SONY SVO-5800) 1式・ビデオ編集システム(
VLXi-T/R,SWS-402) 1式・
14インチカラーモニター(PVM-14Mj) 1式・フルスキャナーカラー・スキャナー・コピー一体型装置(
Canon PIXEL Dio R)・スライド作成・投影装置(
FR-3000、Omunigraphics 253AF)・
CD-Rドライブ(SONY CDU526-R)
2.4 マルチメディア・オン・ディマンド情報システム(YINS-MOD)
本
MOD(Multimedia On Demand)システムは、教育研究支援・学内広報・学術情報発信等を目的としたマルチメディアコンテンツをTCP/IPプロトコル上で学内外にサービスするためのマルチメディアサーバ/クライアントシステムであり、本学附属図書館所蔵の電子図書の閲覧・マルチメディア共同視聴・電子図書の製作および配信のための設備からなっている。
2.4.1 MODサーバ
MPEG1形式の動画データをIPプロトコルにより、最大24クライアントに対し同時配信できるシステムである。サーバ機はNEC Express5800/150Proであり、データ格納領域は25.8GBである。また、155Mbps MMFのATM-NICを装備し、学内ATM基幹網に直接接続されている。サーバソフトはNEC製HYPER MS-Liteである。クライアントソフトはWindows97およびWindows NT上で動作するものが用意されており、学内のコンピュータに対してはコピーフリーとなっている。
2.4.2 CD-ROMサーバ
辞書、事典データ、その他図書館所蔵の
CD-ROMデータを学内向けに提供するサーバである。Express5800/160ProにCD-ROMドライブ7台を装着し、100BASE-TXにてネットワークに接続している。サーバおよびクライアントソフトは「ネットワークこととい」である。すでに、『広辞苑』、『ニューセンチュリー』・『クラウン』などの諸辞典、『日本文化総合年表』、『現代用語の基礎知識』などがサービスに供されている。
2.4.3 マルチメディア閲覧室
附属図書館の一室に、マルチメディアパソコン
Express5800/53(ディスプレイは14インチ液晶型)、書画カメラ、VTRおよび液晶プロジェクタViewLight S810などが設置され、マルチメディアデータを60インチ偏向スクリーンに投影できるようになっている。マルチメディアを活用した会議、セミナー等に利用できるよう室内のレイアウトも考えられている。
2.4.4 図書館キオスク端末
附属図書館内に
Express5800/53パソコン20台(既存のYINS端末10台を加えると合計30台となる)が配置され、ネットワークに接続されているほか、イメージスキャナ3台が接続されている。図書館で通常のネットワーク情報検索、送受信などの利用や、電子メモをとりながらの学習、レポート作成、スキャナによる印刷物と電子媒体上のデータとの相互変換などに利用することが想定されている。
2.5 情報処理教育用システム(YINS-Edu)
近年急速に進む社会の情報化・ネットワーク化にしたがい、大学における情報処理教育への要求は質・量ともに高まっている。このような要求から、情報処理教育用システムにおいても、情報処理教室の整備、アプリケーションの拡充、処理速度・ネットワークの高速化と大きく拡充されている。また本システムは、単に情報処理教育のためのシステムと捉えるのではなく、学生の自発的な学習、情報の取得、情報発信、専門的研究といった学生の情報活動の中心地となりうるシステムを目指した。
2.5.1 教室構成
情報処理教育用教室は、総合情報処理センターとなり従来の2教室から、基礎情報処理教室第一・基礎情報処理教室第二・エンジニアリング情報処理教室・マルチメディア情報処理教室の4教室へと拡充された。各教室は、リテラシー教育から工学専門教育、情報コンテンツの作成といった目的別に特色を持たせた教室構成となっている。また、各教室の端末には、学生にとって馴染みやすい
Windows NT Workstation と、計算処理やプログラミングのためにPC UNIXのふたつのオペレーティングシステムを搭載し(マルチメディア情報処理教室はWindows NT Workstationのみ)、十分とはいえないものの情報処理教育に必要と思われる各種アプリケーションを備えている。
2.5.1.1 基礎情報処理教室第一・第二
基礎情報処理教室の端末(合計
100台)は、Windows NT Workstationと、PC UNIXのSolaris for x86のダブルOSになっている。Windows NT Workstationでは、端末の使用方法に始まり、ワープロ、表計算等のリテラシー教育、電子メール、ネットニュース、WWW等のネットワーク利用、簡単なプログラミングなどに供する。Solarisは、UNIXの使用法から、ネットワーク利用、C、FORTRAN等によるプログラミング、TeX、LaTeXによるドキュメントの作成の実習を目的としている。
OS : Windows NT Workstation 4.0
Microsoft Office 95, Visual BASIC, Java Workshop, Netscape Communicator,Win Biff, Keyboard Master, Mathematica,
他
OS : Solaris for x86
GNU gcc, g++, g77, JTeX, xdvi, dvi2ps, Mule, Ghostscript, Netscape Navigator,
他
教室設備(基礎情報処理教室第一)
A3
プリンタ 8台, 液晶プロジェクター, 100型スクリーン, 卓上教材提示装置, SVHSビデオデッキ, 拡声装置, A4イメージスキャナ, CD-Rドライブ
教室設備(基礎情報処理教室第二)
A3
プリンタ 5台, 液晶プロジェクター, 60型スクリーン, 卓上教材提示装置, SVHSビデオデッキ, 拡声装置, A4イメージスキャナ, CD-Rドライブ
図5
YINS-Edu 学生用端末
2.5.1.2 エンジニアリング情報処理教室
エンジニアリング情報処理教室の端末
70台も、Windows NT WorkstationとPCUNIXであるSolaris for x86のダブルOSになっている。Window NT Workstationには、ワープロ、表計算といった一般的ソフトウェアに加え、機械系CAD、土木系CAD、電子電気系CAD、化学系分子構造シミュレーションソフト等もインストールされており、情報処理の入門教育から、技術系専門教育を担う。
OS : Windows NT Workstation 4.0
Microsoft Office 95, Visual BASIC, Java Workshop, Netscape Communicator,Win Biff, Keyboard Master, Mathematica, ME10, Auto CAD LT, Pspice, Chem3D,
他
OS : Solaris for x86
GNU gcc, g++, g77, JTeX, xdvi, dvi2ps, Mule, Ghostscript, Netscape Navigator,
他
教室設備
A3
プリンタ 9台, A4 PSカラープリンタ1台, A1大型カラープロッタ1台,液晶プロジェクター, 100型スクリーン, 卓上教材提示装置,SVHSビデオデッキ, 拡声装置, A4イメージスキャナ, CD-Rドライブ
2.5.1.3 マルチメディア情報処理教室
マルチメディア情報処理教室の端末は、
Windows NT Workstation30台で構成されている。各端末には小型カメラとヘッドセットを備え、動画や音声を使用したマルチメディアコンテンツの作成やネットワーク会議の実習を行うことができる。教室端末は、一つのOSとしたことで、動画編集に充分なディスクスペースを確保している。
OS : Windows NT Workstation 4.0
Microsoft Office 95, Visual BASIC, Java Workshop, Netscape Communicator,Win Biff, Keyboard Master, Mathematica, Premiere, CU-SeeMe,
他
教室設備
A3
プリンタ 5台, A4 PSカラープリンタ1台, 液晶プロジェクター, 60型スクリーン,卓上教材提示装置, SVHSビデオデッキ, 拡声装置, A4イメージスキャナ, CD-Rドライブ
2.5.2 教室端末
教室端末は、不特定多数の学生・教職員の利用を考慮し、安定性を最重点に置き、オフィスワークステーションモデルとした。ハードウェア仕様は以下のとおり。
Express5800/53(NEC
製)CPU
:Pentium II 233MHz 1プロセッサメモリ:
64MBハードディスク:
2GB + 2GBMO
:1ドライブ 230MBネットワーク:
100BASE-TX/10BASE-Tモニタ:
17インチ
各端末は、
VOD等のマルチメディアに十分対応できるよう、100BASE-TXインターフェイスによりATMネットワーク網に接続されている。この高速ネットワークを利用し、Windows NT Workstation、Solaris共に、各個人のIDでログインする事により、サーバー上の各自のディレクトリに自動的に接続し、どの端末からでも個人の環境を復元することができる。エンジニアリング情報処理教室とマルチメディア情報処理教室の教室端末の本体は、机下の足横に置き、机上には、モニター、キーボード、マウスのみが置かれ(マルチメディア情報処理教室では、小型カメラ、ヘッドセットも)、モニターは
17型と大型にも関わらず机上スペースを広く取れるようにしている。
図6
YINS-Edu 教室端末本体
2.5.3 教室設備
各教室には、
VHSのビデオデッキ、教材提示装置(卓上小型カメラ)が備え付けられており、ビデオ教材や書籍・印刷物といった教材を教師用端末の画面と共に、液晶プロジェクタにより大型スクリーンに映し出すことができる。また、各教室は以下のようなセキュリティを備えている。
・個人
IDによる端末利用・
IDカードによる入退室管理・監視カメラによる教室モニターリング
・データベースによる個人情報の管理
2.5.4 教室用サーバ
情報処理教室の各教室端末は、
Windows NTサーバとUNIXサーバの2種類のサーバによってバックアップされている。Windows NTサーバは、Windows NTにおけるユーザ管理とプリント管理のサービスとマイクロソフトネットワークのCCNドメインの管理を行う。UNIXサーバは、SolarisへのNIS、NFSによるユーザ情報およびユーザのディスクスペースの提供、Windows NTへSMBによるユーザのディスクスペースの提供、Solaris、Windows NTにDNS、SMTP、POP、IMAP等のネットワークサービスを提供する。また、ユーザのディレクトリからは、HTTPによるホームページ開示サービスを行う。
2.6 インターネット系サーバシステム(YINS-Internet)
YINSユーザにとって、インターネットの対外的な玄関口として今後ますます重要になるニュース・DNS・WWW・Eメイル等のサーバ群の更新、強化、高速化及び各種サービス開発を目的とし構築されている。
2.6.1 ニュースサーバ
対外窓口用:
news.yamanashi.ac.jp研究ユーザ用:
allnews.ccn.yamanashi.ac.jp教育用:
news.ccn.yamanashi.ac.jp
と目的別に3台のサーバを設置する。これにより、授業、講習会での一斉アクセス時に、研究ユーザへの不都合や接続組織への配送遅延は解消される。主な仕様は次のとおりである。
NEC
製 EWS4800/430 (SPECint95 7.8、SPECfp95 8.24)メモリ:
128MBハードディスク:
10〜20GB(RAID5)ネットワーク:
ATM155Mbps対応
2.6.2 DNSサーバ
yu-name.yamanashi.ac.jpは本学ドメインのプライマリサーバとして、および本学とネットワーク接続しているドメインのセカンダリサーバとしての情報を保持する。ns.ccn.yamanashi.ac.jpは、総合情報処理センターのドメインccnのプライマリサーバとして、および学内における本学のセカンダリサーバとして機能する。 本サーバはTimeサーバとして、NTP Stratum 2(精度のよい時計機能をもったマシンからNTPにより時間を得る。)の精度にて標準時間サービスも提供し、各種クライアントから参照可能となる。主な仕様は次のとおりである。
NEC
製 EWS4800/430 (SPECint95 7.8、SPECfp95 8.24)メモリ:
128MBハードディスク:
2GBネットワーク:
ATM155Mbps対応
2.6.3 WWWサーバ
マルチメディア化、高速大容量化に対応するべく、
WWW関連の整備を行う。本サーバは主に以下の役目を担う。動画、3D映像、音声等大容量データに対応。YINSのFTP窓口ともなり、YINS各サイトのミラーリングを行なう。既存のWWWサーバと相補い、YINS独自の各種データベース(OPAC,Whois,LocalArchie等)サービスを行う。WWWサーバの主な仕様は次のとおりである。
SGI
製 Octane/SI (SPECint95 8.4、SPECfp95 15.5)メモリ:
128MBハードディスク:
4GB + 20GB(RAID5)ネットワーク:
ATM155Mbps対応AV
入出力装置装備
2.6.4 メイルサーバ
mail.yamanashi.ac.jpは教職員及び研究者用のメイルサーバとして、既存のメイルサーバを更新するものである。yamanashi.ac.jpドメインのメイル運用を全般的にサポートする機能も持つ。POP3のほかIMAP4にも対応予定であり、今後開発されていくであろう各種メイラーに対応可能である。主な仕様は次のとおりである。
NEC
製 EWS4800/470 (SPECint95 10、SPECfp95 7.86)メモリ:
128MBハードディスク:
10GB(RAID5)ネットワーク:
ATM155Mbps対応
2.7 事務処理支援用サーバシステム(YINS-Intranet)
事務部門の情報化を支援するために導入されている。業務の性質上、
FireWallによってセキュリティを確保している。その中で、Webサーバ/ブラウザの機能を用いたイントラネット情報伝達の機能を持たせてある。システム内部では、各種文書処理や業務記録を保存あるいは検索する機能や、事務用に導入されていくパソコンを管理する機能を有する。内部ネットワークは100Mbps高速LANで構成される。主要な構成要素は次のようになっている。
Fire Wall
構築 : Goahnet/PrivatenetSV(NEC製)メール・
Web Proxyサーバ:EWS4800/410AD(NEC製)WWW
・DNS・アプリケーションサーバ:Express5800/150Pro(NEC製)アプリケーションクライアント:
Express5800/53(NEC製)ページプリンタ:
MultiWriter2000CX
2.8 ネットワークプリンタシステム(YINS-Printer)
センター
2階にレーザプリンタLaserPress4160II(Fuji Xerox社製)を設置する。これは研究用ユーザが計算結果、ドキュメントや図表作成ツールの利用結果を出力するための設備である。Postscript Level 2に対応しており、600dpiの解像度で毎分20枚(A4)の出力を行なう。
2.9 ネットワーク管理支援システム(YINS-Monitor)
学内のネットワークのうち、センター内のネットワーク・学内基幹ネットワーク・対外接続用のセグメントが健全に利用可能な状態であるか、また、実態としてどの程度利用されているのか等を把握するためのシステムである。
ネットワークモニタ:
ATMVIEW(NEC製)LAN
アナライザ:ATM Sniffer(東洋テクニカ社製)
3.おわりに
以上のように、山梨大学の情報処理システムは、高速ネットワーク環境に適応したシステムとして一新された。各システムのアーキテクチャなど要素的には、世界のコンピュータ技術の粋を集めたものとなっている。ここでの一貫したコンセプトは、
・適切な科学技術計算資源の提供とユーザ計算資源の継続的な利用の確保
・高度な並列処理機能をユーザ負担を可能な限り軽減しつつ提供すること
・先端的・学際的アプリケーションの提供
・急激に進展しつつあるマルチメディア化への積極的対応
・電子図書館化へのアプローチの創造
・コンピュータグラフィックス機能の提供
・イントラネット環境の提供と事務OA化の推進
・インターネットの広がりと需要増への対応
・リテラシー教育を越えた高度なコンピュータ利用教育環境の創造
・セキュリティの強化
であった。今後、本システムを活用した活発な研究活動、高等教育の革新、対外開放、国際化・学際化などの飛躍的な発展を期待したい。
現在山梨大学は対外接続として
TRAINに加入しており、東京大学へ1.5Mbpsの専用回線で接続されている。しかしTRAINの解散に伴い山梨大学は1998年度内にSINETに移行する。現在山梨大学に接続している県内の学術組織の多くも同時にSINETへと移行することになる。山梨大学はSINETの新たなノード校となり、回線速度は6Mbpsとなる予定である。ノード校として総合情報処理センターの役割もますます重要になってくる。また
1999年度からは総合情報処理センターと付属図書館が一部一体化したコラボレーションセンターが建設される。情報処理教室やマルチメディア関連設備も増強され、SCS装置も導入される。今後は総合的な情報メディアのセンターとして、学内はもとより県内や国内や海外に向けて、様々な情報発信を行う場として発展させて行きたい。
図1
YINS(山梨大学情報ネットワークシステム)構成図
図2
YINS-Labo Shingen
図3
SX-4 シリーズ100号機
図4
YINS-DMCL Octane
図5
YINS-Edu 学生用端末
図6
YINS-Edu 教室端末本体(上から
MOドライブ、CD-ROM、フロッピーディスクドライブ)