自分の持ち物で考えてみよう。

 「これは自分の〜」といえるものを、数えてみよう。きっと途中で投げ出したくなるのではないだろうか。それは宝物から、日用品、とりあえず取ってあるもの、 ゴミなんだけどゴミ捨て日を待っているものまで含めると、すごい数になるからだ。
 しかも、その一つ一つに、紛失、盗難、経年劣化(使ううちボロになること)、けがや事故の原因になること、などなど、大小はそれぞれ違うものの、リスクが必ず潜んでいる。

 自分の家の中で考えてみよう。
銀行通帳なんかは、空き巣に入られて盗難にあうこともあるかもしれない。そうならないように、保管場所は考えたうえで選ばなくてはならない。
トイレットペーパーは空き巣に盗まれることはほとんどないだろう。でも水にぬれたり汚れたりしたら使えなくなるし、無くなったらとても困るから、切らしそうだったらすぐ買いに行けるように、なるべく残量が常に確認できる保管場所がいいかもしれない。
よそ行きの洋服は、虫に食われては困るし、着ている時もできるだけ汚さないように気をつける。
缶詰の空き缶は、フタの切り口でけがをするかもしれないから、分別した後は普段人の出入りの少ない場所でゴミの日まで保管してはどうだろうか。

 こんなふうに、人は起こりそうなリスクに対してそれとなく対処しているものだ。
でも、本当にそれだけで充分だろうか。
起きる確率の高いものにはそれなりの対応はしていても、地震、洪水、火事等、災害に備えている人は、どれぐらいいるだろう。
頻度は低くても、それが起きた時、モノは思わぬリスクの元凶となる。
実際に、地震の際ビルの窓ガラスが窓から割れ落ち、通行人に降り注いだこともあった。
飛散防止フィルムではなく、日よけのフィルムを貼っていたそうだ。
割れて落ちるリスクより、日がさしてきてまぶしいほうのリスクが、意識しないうちに大きくなっていたのだ。


お次は…危険が危ない?